INTERVIEW
「とにかくやってみる」の連続が店長佐藤 可奈
※本人の所属・役職は2024年取材当時のものです。
大学では食品系の学部で学び、最初は食品メーカーや卸売業に就職するつもりで活動していました。その中で、対象が自社の製品に限られるメーカーの仕事より、複数のメーカーの製品を取り扱う卸売業に興味が出てきたんです。
珍しい商品、知らない商品と出会えるのは楽しいし、仕事の幅も広がりそうなところに惹かれたのですが、卸売業はあくまでメーカーとお店との間に入る仕事。それなら直接お客様と接することのできる小売業もよいのでは?と考えたのが、食品小売業を志すようになった理由でした。
その中でエースを選んだのは、裁量権があり、マニュアルにとらわれず自由に動けるという印象を受けたからです。面接のときの雰囲気からすでにそのような社風が伝わり、自分に合っていると感じました。
初めて自分で売り場を作ったのは、入社直後の仮配属中のときでした。まだ基礎も知らないのに「とりあえずやってみよう!」と担当が決まって驚きました。説明会で聞いた「自分でやりながら学ぶ」文化は本当だったんだなと(笑)。実際に企画したのは 梅フェアです。東京ソラマチという観光地の店舗でインバウンドのお客様も多く、「外国のお客様には梅干しが人気」と教えてもらったことがヒントになりました。日本のイメージがそういう食品から始まることも面白いなと感じましたね。とにかく「まあ考えてもわからないし、やってみてダメなら修正できるでしょ」という気持ちで始めたら、周りも「それでOKだよ」と手を貸してくれました。そうしたサポートのおかげで積極的にチャレンジできたと感じているので、今は自分がフォローしてあげられる存在でいたいと思っています。
キャリアを考える転機になったのは、渋谷店の新店立ち上げを副店長として経験したことです。それまでの私は、とくにキャリアプランもなく、店長を目指す意気込みもありませんでした。もともと先頭に立ってチームを引っ張るようなタイプじゃないんです。ですが、未経験のスタッフを育て、運営の仕組みを作る経験をしたことで、「やればできる」と感じることができました。そうは言っても、何か自分なりの工夫をするとかそんな余裕は全然なかったんですよ!それでも何とかオープンにこぎつけたことが自信になったのだと思います。
渋谷店の直前に在籍していた稲毛店も印象に残っています。パートの方々が母親くらいの世代の女性ばかりだったので、母と働いているような温かい気持ちで働くことができました。同時に、パートの方の気持ちを考えられるようになったのもこの経験のおかげだと思います。みなさん本当によくしてくださって、先日地元の山形で水害があったときには、もう店を離れて何年も経つのに、心配して連絡をくださった方もいたんですよ。
振り返れば、こうしてさまざまな店舗を経験させてもらったおかげで、常に新鮮な気持ちで経験を積んでこられたのだと思います。
現在担当している渋谷店の売上規模は直前にいた店舗の約3倍。今までは大ベテランが店長を務めてきた重点店舗です。会社やデベロッパー(商業施設を運営する側)からの期待には応えたいですし、自分が着任したことで売上が落ちるようなことがあってはならないと、怒涛の日々を送っています。
実は正直なところ、渋谷店はやることが多く体力も必要なので「自分に店長が務まる規模じゃない」と思っていました。でも今は、自分がうまく運営できたら他の若手社員にも大規模店の店長になれるイメージを持ってもらえるかもしれないと感じています。
そのためには、「頑張る」ことも重要なのですが、どうしてもできないときには「できない」と言うことも必要。店長である私が「できます」と言ってしまえば、スタッフも無理をするしかないので、そうならないように声を上げていきたいと思っています。実際、今日はいつもより早く荷捌きを終える必要があり、どうしても難しいと本部に相談をしたら、部長クラスの人たちが連れ立って手伝いに来てくれました。こんなふうに声を上げれば動いてくれる会社なんだということも、最近よく感じています。
目標はどんな店舗でも店長ができるようになること。社員の裁量権が大きいエースでは、それぞれが言いたいことを言えるよう、個性を見抜いて成長を促すのも店長の大事な仕事なので、 今はそれができるようになることが目標です。個人的には、この会社には「失敗」という概念はないと思っています。売上が計画通りにいかないことはあっても、そのときに臨機応変に対応できればそれは失敗ではない。そういうことも、副店長以下のみなさんにしっかり伝えていきたいですね。
2017年 | 新卒採用でエースに入社。東京スカイツリーソラマチ店へ仮配属後、アトレ亀戸店へ本配属。 菓子部門の担当者として、商品の発注、展開を主導で行う。 |
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2018年 | 津田沼パルコ店へ異動。 日配品(豆腐や乳製品など)の担当を経験し、今後自分の主となる日配部門の知識を培う。 |
2019年 | ペリエ稲毛店へ異動し、副店長にステップアップ。 母のように温かいパートの方々に囲まれながらアットホームな雰囲気で勤務。 |
2020年 | 渋谷東急フードショー店へ異動。 新店立ち上げに携わり、規模の大きな店舗での日配担当者として勤務。 |
2022年 | あざみ野ガーデンズ店へ店長として異動。 これまでの店舗とは業態が違うなか、手探り状態で試行錯誤した1年。 |
2023年 | CIAL桜木町店に異動し、店舗のリニューアル改装から立ち上げを経験。 桜木町のイメージに合う商品や雑貨を集めたり、店のキャッチコピーを作るなどゼロからお店を作り上げる楽しさを実感。 |
2024年 | 渋谷東急フードショー店へ異動。 これまでの約3倍の売り上げ規模の店舗での勤務。自分にできることを着実にこなし、若手社員にも店長が務まるんだと思ってもらえるよう日々奮闘中。 |